女性専用クリニック オールアバウトブレスト
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学会・研究会活動報告

第3回 DCIS研究会 (東京)参加

第3回DCIS研究会 プログラム

テーマ:「DCISの本質に迫る」

13:20~13:30

歓迎挨拶 東京女子医科大学第二外科 亀岡信悟
開会挨拶 東京女子医科大学第二外科 神尾孝子

13:30~14:30

特別講演1「乳癌幹細胞とDCIS」

演者 慶應義塾大学先端医科学研究所遺伝子制御研究部門 佐谷秀行

司会 昭和大学病院乳腺外科 中村清吾

〈note〉

1.組織はまず幹細胞(自己複製が遅い)が分裂し前駆細胞(自己複製が早い)が作られ、その前駆細胞が最終分化の細胞まで分化する。

2.Dr.Joan BruggeのHypothetical model of DCIS progression

lobulesのepitheliumがhyperproliferation→anti-apoptosis→EMT(Epithelial-Mesenchymal Transition)を起こし浸潤していく。

3.分裂した癌細胞のみの治療で、がん幹細胞やニッチが残っているといずれ再発を起こす。

→これからはがん幹細胞、ニッチを標的とした治療へ移行

4.がん幹細胞はさまざまなストレスに対して抵抗性が高い

5.CD44は上皮性腫瘍によく見られるCSC(cancer stem cell) markerである。

CD44の発現は腫瘍の増殖や浸潤、転移と関連している

Breast ca.   Prostate ca.  head&neck ca.  Colon ca.  Pancreatic ca.  Gastric ca.

6.CD44v(variant)による酸化ストレス抵抗性促進機構

CD44vは細胞膜表面においてシスチントランスポーター(xCT)を安定化させることで、細胞外シスチンの取り込みを増加させ、抗酸化物質グルタチオンの生成を促進する。その結果、酸化ストレスを回避できる。腫瘍細胞は増殖時や治療時において発生する酸化ストレスに抵抗性をもつ。

7.CD44vを標的としたがん幹細胞治療

CD44vを抑える→がん細胞内のグルタチオン量の低下→酸化ストレス上昇→がん幹細胞の死滅

8.xCT阻害剤スルファサラジン(商品名:サラゾピリン)

胃癌マウスで抗癌剤感受性が上昇

まとめ

①CD44vを発現しているがん細胞はGSH(還元型グルタチオン)が高く、酸化ストレスに抵抗性がある。

②CD44v(+)細胞はごく少数から腫瘍を形成する能力が高く、がん幹細胞様の性質をもつ。→再発や転移の起点となる

CD44v-xCTの機能抑制はがん幹細胞の機能を抑制し、再発や転移を阻害できる可能性がある。

 

14:30~15:30

特別講演2 「遺伝子異常と乳癌の発生」

演者 DNAチップ研究所ゲノム医学 江見 充

司会 がん研有明病院乳腺科 蒔田益次郎

〈note〉 自分には少々難しい内容でした。

 

15:45~16:15

講演1「DCISのグレード分類と遺伝子変化」

演者 国立がん研究センター中央病院臨床検査部病理検査室 津田 均

司会 埼玉県立がんセンター病理診断科 黒住昌史

司会 ブレストピアなんば病院乳腺腫瘍外科 古澤秀実

 

〈note〉 348例のDCIS(国立がんセンター中央病院)

comedo 25%(95例)

Non-comedo 70%(261例)

cribriform type 27%(99例)

solid type 14%(52例)

solid papillary 6%(21例)

papillary 15%(56例)

Low papillary 7%(25例)

flat type 0.8%(3例)

LCIS 5%(20例)

 

1.DCISのGradeにおける遺伝子、染色体変化の頻度

Grade 1 :16q欠損(51%)

Grade 2 :17p欠損(50%)、HER2増殖(44%)

Grade 3 :17p欠損(55%)、HER2増殖(64%)、p53変異(36%)

2.同一乳癌内の浸潤癌成分と非浸潤癌成分において遺伝子異常のパターンは似ている(例外もあり)

3.低異型度のDCISは低異型度の浸潤癌を、高異型度のDCISは高異型度の浸潤癌を伴う。

4.HER2増幅の頻度はDCISの方が浸潤癌より高い。

 

16:15~16:45

講演2「DCISは画像でどこまでわかるか」

演者 聖路加国際病院放射線科 角田博子

司会 がん研有明病院画像診断部 五味直哉

司会 関西医科大学附属枚方病院外科 山本大吾

 

〈note〉

聖路加国際病院の2010年の乳癌症例763例

DCIS:18.5%(141例)

両側:7例

DCIS in SA:7.8%(11例)

ICCa:6例

1.DCISの発見動機は検診 53%、経過観察中 11%、乳癌既往の対側検査 9%、腫瘤の自覚 7%、ND 6%

2.DCISのMMGの所見

カテゴリー1:22%

カテゴリー2:6%

カテゴリー3:38%

カテゴリー4:23%

カテゴリー5:10%

→そのなかでも石灰化の所見が72%、腫瘤が11%、FADが5%

3.DCISのUSの所見

低エコー域:33%

腫瘤 :21%

乳管内病変:9%

豹紋状 :7%

2nd look US:9%

→2nd lookも含めてUSで指摘できないDCISは4.2%であった。

逆に考えると95.8%の症例でUSで同定可能

4.DCISのMRIの所見

segmental enhancement:40%

mass :21%

Focal area :9%

その他(diffuse,ductal,foci):数%

 

16:45~17:15

講演3「DCISにおける断端陽性をどうするか」

演者 静岡県立静岡がんセンター乳腺外科 高橋かおる

司会 放射線医学総合研究所 重粒子医科学センター病院治療科 唐沢久美子

司会 国際医療福祉大学三田病院乳腺センター 吉本賢隆

 

〈note〉

2.DCISの乳房温存と照射の効果

NSABP B-17

EORTC

SweDCIS

UKCCR

→上記の試験でDCISの温存後の全乳房照射は乳房内再発を減らす効果ありという結果

3.

4.DCISの温存とTAMの効果

NSABP B-24

UK ANZ DCIS

→上記の試験でER陽性DCISの温存術後のTAMは乳房内再発と対側乳癌を減らす効果あり

6.静岡がんセンターのDCISの乳房温存の乳房内再発率

乳房温存211例中 8例(3.8%) 観察期間中央 63 m

7.今後

ANA vs TAM  (NSABP B-35)

HER2陽性DCIS(断端陰性が対象)に対するHCPT  (NSABP B-43)

 

17:15~17:45

講演4「DCISでセンチネルリンパ節生検は必要か」

演者 がん研究会がん研究所病理部 大迫 智

司会 聖マリアンナ医科大学病院乳腺・内分泌外科 津川浩一郎

〈note〉

1.DCISのセンチネル陽性率(メタアナリシス)

術前生検DCIS:7.4%

最終病理DCIS:3.7%

Ansari et al.Br J Surg 2008

2.OSNA法(One Step Nucleic acid Amplification assay)のカットオフ

・250コピー以下を陰性、250コピー以上を陽性とする

・250コピー以上は癌細胞換算で4000個以上あると推定

・250~5,000コピー:微小転移(0.2~2mm)に相当

・5,000コピー以上:マクロ転移(2mm以上)に相当

3.浸潤癌でのセンチネル陽性率

組織診:18%(N:618)

OSNA:23%(N:531)

Osako et al. Cancer 2011

4.最終病理DCISのセンチネル陽性率

組織診:0.3%(N:338)

OSNA:4.2%(N:285)

Osako et al. Cancer 2011

5.術前針生検DCISのまとめ

最終病理診断

DCIS: 66%

浸潤癌:34%

センチネル陽性率(OSNA)

全体: 6.8%

最終DCIS: 4.5%

最終浸潤: 11.5%

 

17:45~17:55

会長挨拶 東京慈恵会医科大学乳腺・内分泌外科 内田 賢
閉会挨拶 東京女子医科大学第二外科 神尾孝子

投稿日時:2012.01.28(Sat) 00:23:00|投稿者:machida


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