乳がんについてQ&A
- 【乳がんのリスク】 初潮と閉経の時期、初産の時期と乳がん発症のリスクに関連がありますか?
- 早い初潮、遅い閉経は乳がん発症のリスクになります。
一生に曝露するエストロゲン量と発症のリスクに正の相関があります。
また、20代前半で初産の女性に比べ、30歳以降で初産の女性では1.5~2.5倍ほどリスクが高くなります。
- 【乳がんのリスク】 肥満と乳がん発症のリスクに関連がありますか?
- 閉経後の女性では肥満が乳がんのリスクを高めます。
一方、閉経前の女性では肥満の方がリスクが低いということになっています。
しかしながら、肥満はさまざまな生活習慣病のリスクを高めます。
(WCRF/AICR報告書より)
- 【乳がんのリスク】 アルコールと乳がんに関連がありますか?
- アルコールの摂取量が増えるほど乳がんの発症のリスクは高くなります。
(WCRF/AICR報告書より)
日本人では十分なデーターがありませんが、アルコールと一緒に摂る食事と関係があるとも考えられます。
- 【乳がんのリスク】 喫煙と乳がんに関連がありますか?
- 喫煙は乳がんのリスクを高める可能性があります。
乳がんに限らず、肺がんや多くの生活習慣病のリスクを高めます。
既に喫煙している人でも禁煙をすることで発病のリスクを下げることが知られています。
- 【乳がんのリスク】 ストレスと乳がんのリスクに関連がありますか?
- ストレスが乳がんのリスクを高めるかどうかは結論が出ていません。
個人にとってストレスの評価が難しく、それに対する体の反応も一定ではありません。
過度なストレスは健康に良くありませんが、適度なストレスは逆に健全な精神状態を保ちます。
- 【乳がんのリスク】 夜勤と乳がんのリスクに関連がありますか?
- 夜間に不規則な勤務をする機会が多い場合、乳がん発病のリスクが高くなる可能性があります。
これには複雑な要因がからみますが、できるだけ規則正しい生活を送りましょう。
- 【乳がんのリスク】 ホルモン補充療法、経口避妊薬(ピル)と乳がんのリスクに関連がありますか?
- ホルモン補充療法は乳がんのリスクを高めます。
エストロゲン単独療法では子宮がん発病のリスクを高めます。
経口避妊薬(ピル)に関しては長期間の使用で発病のリスクが少し高くなることがわかっています。
ホルモン補充療法を行う際には、事前に婦人科医とよく相談してください。
- 【乳がんのリスク】 家系内に乳がんがある場合、乳がん発病リスクは?
- 親、子、姉妹に乳がんの患者がいる場合、リスクは2倍以上高くなります。
- 【乳がんと遺伝】 乳がんは遺伝しますか?
- 頻度は少ないですが、遺伝する乳がんもあります。
乳がんの発病に強く関係する遺伝子が2個わかっています。
BRCA1、BRCA2は乳がんの増殖を抑える遺伝子ですが、遺伝性の乳がんはこれが異常をきたし
発病すると考えられています。
- 【乳がんと遺伝】 家族性乳がんとは?
- ①親、子、兄弟姉妹に3人以上の乳がん患者がいる場合
②親、子、兄弟姉妹に2人以上の乳がん患者がいて、その中で
40歳未満の患者がいる、両側乳がんの患者がいる、乳がん以外のがんがある場合
- 【乳がんと遺伝】 遺伝性乳がんは予防できますか?
- 海外では遺伝子診断や予防的治療を行う場合があり、一定の成果があるようです。
日本ではまだ適切な条件が整っていません。まずは相談してみてください。
定期検診をしっかり受けることが最善です。
- 【乳がんのリスク】 乳製品の摂取は乳がん発症リスクを高めますか?
- 乳製品の摂取が乳がん発症のリスクを増加させるかどうかはわかっていません。
- 【乳がんのリスク】 緑茶の摂取が乳がん発症リスクを下げますか?
- 緑茶の摂取が乳がん発症のリスクを下げるかどうかはわかっていません。
- 【乳がんのリスク】 大豆、イソフラボンの摂取が乳がん発症リスクを下げますか?
- 大豆、イソフラボンの摂取が乳がん発症のリスクを下げる可能性があります。
- 【乳がんのリスク】 サプリメントの摂取で乳がん発症リスクを下げることができますか?
- サプリメントの摂取では乳がん発症のリスクを下げることはできません。
- 【乳がんのリスク】 生まれた時の体重が重いと乳がん発症リスクが高くなる?
- 生まれた時の体重が重いと閉経前乳がん発症リスクが増加します。
- 【乳がんのリスク】 出産は乳がん発症リスクと関連ありますか?
- 出産経験のない女性は出産経験のある女性に比べて乳がん発症リスクは高いとされています。
また、初産年齢が高いほど、リスクも高くなることがわかっています。
- 【乳がんのリスク】 授乳は乳がん発症リスクと関連ありますか?
- 授乳経験のない女性は授乳経験のある女性に比べて乳がん発症リスクは高いとされています。
また、授乳期間が長いほど乳がん発症のリスクが減少することがわかっています。
- 【乳がんのリスク】 運動で乳がん発症リスクを下げることができますか?
- 閉経後の女性では運動で乳がん発症のリスクを減少させることが出来ます。
しかし、閉経前の女性では運動をすることでリスクを下げることはできないようです。
- 【乳がんのリスク】 放射線被爆は乳がん発症リスクと関連ありますか?
- 高線量の被爆が乳がん発症のリスクを高めるのは確実です。
しかも若い時に被爆した場合に最も影響を受けます。
通常の医療被爆でも総線量が増えるとそのリスクは高くなります。
- 【乳がんのリスク】 良性乳腺疾患が乳がん発症リスクを増加させますか?
- 一部の良性乳腺疾患(異型過形成)が乳がん発症リスクを増加させるとされています。
- 【乳がんのリスク】 子宮、卵巣の良性疾患は乳がん発症リスクと関連ありますか?
- 子宮内膜症や卵巣嚢腫などは乳がん発症リスクとは明らかな関連はありません。
- 【乳がんのリスク】 乳がん発症を予防する薬剤がありますか?
- 乳がん発症リスクが高い女性にはタモキシフェン(ノルバデックス、タスオミン)やラロキシフェン(エビスタ)の予防的投与の有効性があります。しかしながら有害事象(血栓症や子宮内膜癌など)のリスクも増加するためよく考えて使用すべきです。アロマターゼ阻害薬であるエキサメスタン(アロマシン)にも予防的効果があるという結果が出ています。
- 【乳がんの疫学】 妊娠期、授乳期の乳癌は予後が悪いのでしょうか?
- 妊娠、授乳自体が乳癌の予後に影響を与えるか否かについては明らかになっていません。
しかしながら、妊娠期、授乳期に診断される乳癌は比較的進行した状態(しこり等の自覚症状がわかりにくい)で診断されることが多く、その後の治療に関しても少なからず制約があるため、予後が不良のことが多いようです。
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