乳がんのトピックス
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閉経前のホルモン受容体陽性早期乳癌患者の再発のリスクが減少 (ABCSG-12試験の84カ月の追跡結果)
ABCSG(Austrian Breast &Colorectal Cancer Study Group)-12試験
(84カ月の追跡結果)
2011年12月米国サンアントニオで開催されているサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS)で発表。
術後内分泌療法とゾレドロン酸の併用により、再発のリスクは28%、死亡のリスクは37%減少
対象:閉経前ホルモン受容体陽性早期乳癌(I期またはII期)の患者(1803人)を対象
方法:
患者は術後に卵巣機能抑制のためゴセレリン3.6mgの投与を28日毎に受け、
タモキシフェン(20mg/日)群(450人)
アナストロゾール(1mg/日)群(450人)
タモキシフェン+ゾレドロン酸(4mg、6カ月毎)群(453人)
アナストロゾール+ゾレドロン酸群(450人)
治療期間は3年間。
結果:
治療終了から4年以上が経過した84カ月時点
ゾレドロン酸の非併用群に対する併用群のハザード比(HR)は0.72 (p=0.014)
再発のリスクが28%減少。
※AZURE試験の結果(24%)と同等。
ゾレドロン酸併用群のDFSの有意な改善は継続的にみられ、
追跡期間48カ月はHR 0.74(p=0.01)、62カ月はHR 0.68(p=0.008)、76カ月はHR 0.73(p=0.02)だった。
40歳を超える患者(1390人)では、
ゾレドロン酸の併用によりDFSイベントリスクは34%減少。(HR =0.66、p=0.013)
40歳未満の患者では13%(HR=0.87、p=0.525)。
全生存率(OS)
3年:99.1%
5年:95.7%
7年:95.5%
ゾレドロン酸の非併用群に対する併用群のOSはHR 0.63(p=0.049)
死亡のリスクが併用群で37%減少。
40歳を超える患者でゾレドロン酸の併用により死亡のリスクは有意に減少した(HR 0.57、p=0.042)
有害事象として、骨痛がゾレドロン酸の併用群で多く発現。
ゾレドロン酸の3年間の投与は終了しており、これまでの観察期間に顎骨壊死や腎不全などの報告はない。
投稿日時:2011.12.10(Sat) 12:33:00|投稿者:machida