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乳がんのトピックス
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原発性乳癌に対する化学療法とタモキシフェン投与は対側乳癌のリスクを長期的に減少

原発乳がんに対する化学療法とタモキシフェン投与は対側乳がんリスクを長期的に減少させる


一方の乳房が乳がんと診断された患者に化学療法または抗エストロゲン剤(タモキシフェン)投与を行うと、もう一方の乳房にがんが発生するリスクが5-10年間減少する。

デンマークのLisbeth Bertelsen氏らが、国立がん研究所(NCI)ジャーナル電子版に2007年12月25日に報告。

背景:
乳がんと診断された患者の、病巣のない乳房にがんが発生する(対側乳がん)リスクは、通常の2-6倍になる。
無作為化試験の結果は、原発性乳がんに対するタモキシフェン投与と化学療法が対側乳がんリスクを下げることを示していたが、効果が持続する期間と、閉経の前か後かといった要因の影響は不明だった。


方法:Lisbeth Bertelsen氏らは、ケースコントロール研究を実施。

1985-1999年に55歳未満で片側の遠隔転移を認めない(M0) 浸潤性乳がんと診断された米国人とデンマーク人の女性を対象に、対側乳がんの発生率に対するこれら治療の影響を調べた。比較したのは、一方の乳房のみにがんが発見された1158人と、後に対側の乳房にもがんが発生した634人。

結果: 
化学療法は、これを行わなかった場合に比べ対側乳がんのリスクを43%減少(対側乳がん発症の率比(RR)=0.57、95%信頼区間0.42-0.75)
リスク低減は最初のがん診断から最高10年間持続。
また、効果は診断から1年以内に閉経した女性で顕著だった(リスクは72%減少、RR=0.28、0.11-0.76)
タモキシフェンは、これを使用しない患者に比べ、対側乳がんリスクを34%低減(RR=0.66、0.50-0.88)リスク低減は診断から5年間有意だった。


考察:これら治療の卵巣抑制効果が、おそらくはがん細胞に対する細胞毒性とともに、リスク低減に役割を果たしている可能性があると考えている。

投稿日時:2007.12.25(Tue) 12:00:00|投稿者:machida


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